キャリコンカフェでなごみましょ

未経験から国家資格キャリアコンサルタントを受検し、第18回で合格した私。そこから私の試行錯誤と成功への道をお届けします。

キャリア理論をひもとく~ジョン・D・クランボルツ~

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元営業事務員からキャリアコンサルタントに転身を夢見て資格取得をを目指している、なごみです。

 

今回はクランボルツについてまとめてみる。

 

クランボルツは今の私にとって、とても好きな理論家の一人である。

 

未決定は望ましい

 

とてもありがたいお言葉を説いてくださった方だなと思う。

 

クランボルツを語る前に、まず心理学的に「学習」とはどんなことを示すのか?をお伝えしておくと、

経験の結果生じる、比較的永続的な行動の変化、変容

と定義している。

つまり、ある経験によって、新しい行動を獲得したり、今までとは異なる行動をとったり出来るようになることを意味するわけである。

なので、常に学習すれば、新たな自分に出会えることもあるであろう。

【目次】

バンデューラの理論

クランボルツの理論の先駆けがバンデューラである。

彼はもともと社会理論で説明されてきた直接経験(行動療法のスキナーの考え方)に加え、観察学習も大切であることを強調した。

モデリングの概念

観察学習とはモデリングとも言われており、他人の行動を観察し、それを真似ることであるとしている。

  1. 注意課程・・・無数にある情報の中から何に注目するのか
  2. 保持課程・・・注意課程で選択したモデリング刺激を記憶にとどめる
  3. 運動再生課程・・・モデルによって示された行動を再生する(真似する)
  4. 動機付け課程・・・③までに習得した行動を実際に遂行するかどうかを決定する

自己効力感とは

それともう一つ重要な概念を提唱していて、それが自己効力感である。

自己肯定感と自己効力感

最近よく聞く言葉ではないかと思う。

この二つの言葉は簡単に言えば、違いはこうである

自己肯定感・・・自分の存在に価値や自信がある、自分を肯定すること

自己効力感・・・自分には行動する能力があると認知していること

自己肯定感は自分自身そのものを肯定し自信につなげていくことと言える。

自己効力感は最近はビジネスシーンでよく使われるが、自分の能力を認知することということで、様々な行動がプラスに働くことと言えて意味は異なってくる。

例えで言ってみると、自己肯定感は私は自分に自信があるということで、自己効力感ば、私は〇〇をしたことで自分を認めることが出来たというと分かりやすいだろうか。

キャリア意思決定における社会的学習理論

SLTCDMからLTCCへ

この理論はクランボルツがバンデューラの社会的学習理論をキャリアに置き換えて理論化したものである。

はじめはSLTCDM(social learning of career decision making)と名付け、その後改訂をしてLTCC(the learning theory of career counseling)を理論化する。

LTCCとは、従来のバンデューラの社会的学習理論をキャリア理論としたSLTCDMに加え、カウンセラーがどのようにクライアントを援助するか、つまり、今後のキャリアについてをどうしていくべきかという問題を抱えたクライエントを援助するかについてを概念化したものである。

計画された偶発性理論からハップンスタンスラーニングセオリーへ

さらにクランボルツは LTCCを改定し、計画された偶発性理論(planned happenstance theory)を1999年に提唱した 。

ここで「未決定を望ましい状態」と考えクライエントが偶然の出来事を作り出し認識し、自分のキャリア発達に組み入れていけるように支援することだとしている。

人間誰しも偶然は訪れるわけだがこの予期せぬ出来事をチャンスに変えることにつなげるためには以下のスキルが必要だとしている。

  • 好奇心・・・新しいことへの学び
  • 持続性・・・努力をし続ける
  • 柔軟性・・・変化を取り入れる
  • 楽観性・・・達成できると考える
  • 冒険心・・・行動をおそれない

さらに2009年にハップンスタンスラーニングセオリーを提唱し、キャリアカウンセラーが個人個人のプロセスを促進する方法について言及し、4つの命題を提示している。

  1. カウンセリングの目標は、さらに満足出来るキャリアや個人的な生活に到達するための行動をクライエントが撮れるようになることを支援する
  2. アセスメントは個人と職業の特性をマッチングするために用いるのではなく、学習を促すために用いる
  3. クライエントは有益な想定的な出来事を作り出す方法として、探索的な行動に携わることを学習する
  4. カウンセリングが成功したかどうかはカウンセリングのセッション外にある現実の世界でクライエントが何を成し遂げたかによって評価される

 

私も偶然的な出来事をよく体験するが、それはきっと偶然を呼び起こせる学習が出来ているからだと感じたいと思う、今日この頃である。

引用元:新版キャリアの心理学 渡辺三枝子

JILPT職業相談場面におけるキャリア理論~文献調査 JILPT

 

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