キャリコンカフェでなごみましょ

未経験から国家資格キャリアコンサルタントを受検し、第18回で合格した私。そこから私の試行錯誤と成功への道をお届けします。

キャリア理論をひもとく~ジョン・D・クランボルツ~

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元営業事務員からキャリアコンサルタントに転身を夢見て資格取得をを目指している、なごみです。

 

今回はクランボルツについてまとめてみる。

 

クランボルツは今の私にとって、とても好きな理論家の一人である。

 

未決定は望ましい

 

とてもありがたいお言葉を説いてくださった方だなと思う。

 

クランボルツを語る前に、まず心理学的に「学習」とはどんなことを示すのか?をお伝えしておくと、

経験の結果生じる、比較的永続的な行動の変化、変容

と定義している。

つまり、ある経験によって、新しい行動を獲得したり、今までとは異なる行動をとったり出来るようになることを意味するわけである。

なので、常に学習すれば、新たな自分に出会えることもあるであろう。

【目次】

バンデューラの理論

クランボルツの理論の先駆けがバンデューラである。

彼はもともと社会理論で説明されてきた直接経験(行動療法のスキナーの考え方)に加え、観察学習も大切であることを強調した。

モデリングの概念

観察学習とはモデリングとも言われており、他人の行動を観察し、それを真似ることであるとしている。

  1. 注意課程・・・無数にある情報の中から何に注目するのか
  2. 保持課程・・・注意課程で選択したモデリング刺激を記憶にとどめる
  3. 運動再生課程・・・モデルによって示された行動を再生する(真似する)
  4. 動機付け課程・・・③までに習得した行動を実際に遂行するかどうかを決定する

自己効力感とは

それともう一つ重要な概念を提唱していて、それが自己効力感である。

自己肯定感と自己効力感

最近よく聞く言葉ではないかと思う。

この二つの言葉は簡単に言えば、違いはこうである

自己肯定感・・・自分の存在に価値や自信がある、自分を肯定すること

自己効力感・・・自分には行動する能力があると認知していること

自己肯定感は自分自身そのものを肯定し自信につなげていくことと言える。

自己効力感は最近はビジネスシーンでよく使われるが、自分の能力を認知することということで、様々な行動がプラスに働くことと言えて意味は異なってくる。

例えで言ってみると、自己肯定感は私は自分に自信があるということで、自己効力感ば、私は〇〇をしたことで自分を認めることが出来たというと分かりやすいだろうか。

キャリア意思決定における社会的学習理論

SLTCDMからLTCCへ

この理論はクランボルツがバンデューラの社会的学習理論をキャリアに置き換えて理論化したものである。

はじめはSLTCDM(social learning of career decision making)と名付け、その後改訂をしてLTCC(the learning theory of career counseling)を理論化する。

LTCCとは、従来のバンデューラの社会的学習理論をキャリア理論としたSLTCDMに加え、カウンセラーがどのようにクライアントを援助するか、つまり、今後のキャリアについてをどうしていくべきかという問題を抱えたクライエントを援助するかについてを概念化したものである。

計画された偶発性理論からハップンスタンスラーニングセオリーへ

さらにクランボルツは LTCCを改定し、計画された偶発性理論(planned happenstance theory)を1999年に提唱した 。

ここで「未決定を望ましい状態」と考えクライエントが偶然の出来事を作り出し認識し、自分のキャリア発達に組み入れていけるように支援することだとしている。

人間誰しも偶然は訪れるわけだがこの予期せぬ出来事をチャンスに変えることにつなげるためには以下のスキルが必要だとしている。

  • 好奇心・・・新しいことへの学び
  • 持続性・・・努力をし続ける
  • 柔軟性・・・変化を取り入れる
  • 楽観性・・・達成できると考える
  • 冒険心・・・行動をおそれない

さらに2009年にハップンスタンスラーニングセオリーを提唱し、キャリアカウンセラーが個人個人のプロセスを促進する方法について言及し、4つの命題を提示している。

  1. カウンセリングの目標は、さらに満足出来るキャリアや個人的な生活に到達するための行動をクライエントが撮れるようになることを支援する
  2. アセスメントは個人と職業の特性をマッチングするために用いるのではなく、学習を促すために用いる
  3. クライエントは有益な想定的な出来事を作り出す方法として、探索的な行動に携わることを学習する
  4. カウンセリングが成功したかどうかはカウンセリングのセッション外にある現実の世界でクライエントが何を成し遂げたかによって評価される

 

私も偶然的な出来事をよく体験するが、それはきっと偶然を呼び起こせる学習が出来ているからだと感じたいと思う、今日この頃である。

引用元:新版キャリアの心理学 渡辺三枝子

JILPT職業相談場面におけるキャリア理論~文献調査 JILPT

 

過去の記事はこちら

blog.hatena.ne.jp

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令和3年労働経済の分析をひもとく①

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元営業事務員からキャリアコンサルタントに転身を夢見て資格取得をを目指している、なごみです。

 

今回は7/16に公表された、令和3年労働経済の分析についてまとめてみた。

内容にボリュームがあるため、1部ごとに私の気になったところを記述していくことにする。

 

まず、新型コロナウイルスの感染状況により、日本経済の状況が大きく変化したのは、誰が見ても分かる話になっていることであろう。

2020年になり、実質GDPリーマンショックに次ぐ大きな落ち込みに。

そして、2019年までは有効求人倍率は上昇傾向にあったし、完全失業率も低下傾向にあったのだが、2020年を迎えてから、逆転傾向になってきている。

特に、飲食、宿泊サービスなどは苦しい状態となっていて、経営、雇用がとても厳しい状況になっている。

 

目次

 

労働時間、賃金の動向

 

まず、労働時間についてであるが、

  • 月間相実労働時間・・・減少
  • 有休取得割合・・・上昇
  • 長時間労働者・・・低下

 

また、賃金については

  • 一般労働者賃金(主に正社員)・・・増加
  • パート社員・・・横ばい

となっている。

 

雇用・失業情勢の動向

 

有効求人倍率企業からの求人数(有効求人数)を、公共職業安定所ハローワーク)に登録している求職者(有効求職者数)で割った値)は、2019年まで1.6倍まであったのだが、2020年に入ると年平均で1.18倍までに落ち込んでいる。

また、完全失業率については、2019年までは2.2%だったのが、2020年に入ると2.8%にも上昇してしまった。

 

労働市場への参加

 

2020年になり、就業者数(従業者+休業者)は6676万人で8年ぶりに減少し、雇用者数(雇われている者)は5973万人で11年ぶりにこちらも減少した。
それに伴い労働市場から退出することも増え、労働力人口・非労働力人口は8年ぶりに減少・増加に転じた。

 

正規・非正規労働者の状況

 

2019年までは正規雇用労働者、非正規雇用労働者ともに増加傾向にあったが、2020年に
正規雇用労働者が増加を続ける中で非正規雇用労働者が女性を中心に大きく減少した。

その背景には、正規雇用労働者への需要は底堅い状況が続いているということが言えそうである。

正規雇用労働者を守ることで、犠牲となるのが女性の非正規雇用労働者ということになってくるのかもしれない。今、女性の非正規雇用労働者の働く理由としては、

専門的な技術をいかせるから

家計の補助・学費を得たいから

が主を占めている。

 

また、この感染状況で子供になにかあった際に対応するのは女性側であり、

負担であるとしたのが37.5%と回答しており、男性の19.8%に比べ倍近くになっている。よって、一時的に職を離れるということが増加しており、なかなか定職に就けないということもあった。この統計から男性も育児参画に向けて少しずつではあるが、取り組みも検討する企業が出たりと前向きな兆しも若干ではあるがみられる。

 

今回はここまで。

また2章以降は次回にまとめていく。

キャリア理論をひもとく【ダグラス・T・ホール】

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元営業事務員からキャリアコンサルタントに転身を夢見て資格取得をを目指している、なごみです。

 

今日はホールについてまとめます。

 

ホールといえば

 

プロティアンキャリア

 

ですよね。

 

私はこちらばかりに気を取られていましたが、

ホールのキャリア概念も見ながら、プロティアン・キャリアについてもまとめます。

 

目次

  

キャリアとは

まず、ホールはキャリアのことを

  1. 昇進
  2. 専門職
  3. 生涯を通じた職務の連続
  4. 生涯を通じた役割に関する経緯の連続

の4つに分類しながら、独自のキャリアを提唱しています。

  • キャリアは遅い昇進とか早い昇進を意味することではない
  • キャリアはキャリアを歩んでいる本人によって評価されるのであって、他者によって評価されるわけではない
  • キャリアは主観的なキャリアと客観的なキャリア双方を考慮する必要がある
  • キャリアはプロセスであり、仕事に関する経験の連続である

ホールは今日本で抱えてる現状をこの時期から提唱していたのですね。

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新しい「プロティアンキャリア」契約(渡辺三枝子:キャリアの心理学)

プロティアン・キャリア

この背景にプロティアンキャリアがあるのですが、

その背景には1980年代の産業社会改革の構造改革によって、

個人と会社組織間の心理的契約が変化したとホールは主張し、新たな心理的契約を提唱しました。これがプロティアンキャリアになります。

 

このプロティアンキャリアを形成するにあたり、必要な二つのメタ・コンピテンシー(変化に対応し、新たな能力を自ら学習していく能力や行動特性)が、アイデンティティとアダプタビリティと言われています。

 

アイデンティティ

これはエリクソンにより提唱されている概念ですが、ホールは以下のように捉えています。

2つの構成要素

自分の価値観、興味、能力、計画に気付いている程度

過去と現在と将来の自己概念が統合されている程度

 

 2つの構成要素を知ることは、ただ変化に自分を合わせているだけになってしまい、本当の意味での心理的成功を体験することは出来なくなるとしているのです。

 

サブ・アイデンティティの想定

これはスーパーのライフ・ロールの概念と相似していまして、役割期待に呼応する自己認知を指します。必ず誰しも役割を持っていて、それを認識するということですね。

 

アダプタビリティ

 

ホールはアダブタビリティと適応を区別して定義しました。

下記図を見るのが早いと思います。

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引用:アダプタビリティと適応の構成要素(キャリアの心理学:渡辺三枝子)

 

ホールのプロティアン・キャリアの理論は日本において声高に叫ばれている『自立型』キャリアと言われるものとかなり重なる部分があると言われています。

そして、キャリア発達の最終的な目標として、

心理的成功

キャリアは人間関係における相互学習の中で発達している

を強調しています。

 

そして、これからの日本は

 

これこそが自分のやるべき仕事である

 

という目的に対して努力をし、

心理的成功

客観的成功

を得ることがこれからは必要ではないでしょうか。

 

 

過去の記事はこちら

nagomi-noda.hatenablog.com

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キャリコン試験不合格になった原因をひもとく【マインドセット】

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元営業事務員からキャリアコンサルタントに転身を夢見て資格取得をを目指している、なごみです。

 

今回は第17回のキャリアコンサルタント試験に不合格した原因について考えたので、そこについてお話していきます。

 

端的に言うと、これはやはり

 

マインドセット

 

これに尽きるかと思います。

 

そう思ったきっけけを何点かお話します。

目次

1、その問題、完璧に解けますか?

どういうことかと言いますと、やはり、あと一歩の自信が持てなかったところに原因があったということです。

自分の中では『まぁ出来たな・・・』と思っていて、実際の過去問の問題でも9割はとれていた、でも実は9割しかとれていなかったのです。

残りの1割はどうした?という話です。
理論については、100%で答えられないと意味がありません。
そして、国家の過去問だけでなく、2級、あれば1級問題も押さえておきましょう。

 

2、過去問はすみからすみまで覚えてますか?

次に、私は過去問の正誤のみを確認していて、正解以外の部分の確認を怠ったことが敗因だったな・・・とつくづく感じました。

つまり、過去問に出ていた問題なのに、正解じゃなかった部分を問われ、間違えてしまったのです。

みなさんも『バッチリ!』と思っているのって過去問の正解の答えだけじゃないですか?

正誤の誤り部分も何が間違っているのか、を確認する必要がありそうです。

 

3、無理かもしれないと思っていませんか?

私の一番足りない部分は『絶対合格する!』という気合いです。
これがないと、やっぱり合格はしませんね・・・
以前に読んだ他の方々の資格合格者のブログにも、それは絶対書いてあります。
『私は絶対合格する』この気持ちを忘れてはいけません。
落ちたらその時に”なんで不合格だったんだろう?”を改めて振り返りましょう。

くれぐれも『私、落ちちゃうかもーーそしたら、笑ってね』(←これ私)
という合理化的な防御規制はやめましょう。

 

マインド設定をあらためてひもとくと、

  1. 過去問(特に理論)は100%正解がアタリマエ、2級の問題もチャレンジしておきましょう
  2. 過去問は正解だけを覚えるのではなく、誤っている文に対しても正しい文はこれ!というように覚えましょう。
  3. 自分は絶対に合格するという気持ちを持ち続けましょう


私は今日も勉強し、自己研鑽を深めます。
まだキャリコンにはなれてないけど・・・もう気分はキャリコンなのです!

 

それではまた。

 

過去の記事はこちら

nagomi-noda.hatenablog.com

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キャリア理論をひもとく【精神分析理論】

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元営業事務員からキャリアコンサルタントに転身を夢見て資格取得をを目指している、なごみです。

 

今回は私が試験で間違えた精神分析理論についてまとめます。

 

第17回のキャリアコンサルタント試験では精神分析の問題が2問も出題されました。

私はこの2問を落としたことで不合格となってしまったので、ここはしっかり押さえておきたいと思います。

今回2問も出たので、18回で出題されるかは微妙なところですが、とても細かいところが出題されて悔しい思いをしました。

木村周先生の本ももちろんですが、JILPTの資料を目を通しておくことを強くおすすめします。プリントアウトが大変だったら購入してもいいのかなと思います。
私はプリントアウトしています。

https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2016/documents/0165.pdf

 

フロイト

人は自分自身のことをすべて知っているわけではなく、「私の知らない私」に動かされている、心的なものの本質は意識のうちになく、これが精神分析の入り口の最初の合い言葉だとしています。

そこで、いくつかの理論体系が生まれます

  • 局所論・・・意識、前意識、無意識
  • 心理ー性発達理論・・・生まれてから青年期くらいまでの親子関係が、その人の問題を作る根本となるという考え。
  • 構造論・・・エス、自我、超自我
  • 適応論(防御規制)・・・11種類の防御規制

 

では、これらの理論を説いたところから、どうやって治療をしていたのでしょうか。

  • 初期【カタルシス法】・・・患者を催眠下に置き、覚醒時には思い出せない、過去の外傷的な出来事を語らせる
  • その後【自由連想法】・・・カウチに横たわってもらい、その場で思いつく”全て”を話してもらう。全てということが大事です。そうすると”あなたの気付いていない何か”が出てくるはずです。

 抑圧された体験などはノイローゼの原因になりますので、出来るだけ取り除くことが必要になります。

ユングも夢や無意識に力を注いだ点は共通しているとされています。

(後に異なる理論※分析心理学を提唱)

 

その後エリクソンが成人以降の発達も組み込み、「漸成的発達理論」として発展していきます。

そちらについては、また次回まとめていきます。

引用元

新版カウンセリングの話 平木典子

キャリアコンサルタント養成講座テキスト2

キャリアコンサルタント理論と実際 木村周

 

過去の記事はこちら

nagomi-noda.hatenablog.com

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キャリア理論をひもとく【意思決定理論①プロセス】

 

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元営業事務員からキャリアコンサルタントに転身を夢見て

資格取得をを目指している、なごみです。

 

今回は意思決定理論についてまとめます。

 

最初にこの理論には二つの立場がありまして、

  1. 意思決定のプロセスを重視するもの
  2. 意思決定のシステムを取り巻く外的要因を重視するもの

があります。

今回は

  1. 意思決定のプロセス重視するもの

についてになります。

 

こちらについての理論家は

が挙げられます。

彼らの研究がキャリア行動の理解に貢献した点は以下のとおりです。

  1. 人は職業を選択する際に様々な期待を持つ。意思決定理論は人は利益を最大にし、損失を最小限にするよう行動する。その利益や損失は経済的なものとは限らず、価値観で内容と程度は異なる

  2. 仕事に対する期待の期待や希望は個人と仕事の関わり方で変わってゆく。この中で『何が達成できると考えるか』が職業選択の鍵。キャリアに対して何か選択する時、いくつかの選択肢があれば、そこから一つを選択する必要がある。

  3. 人はそれぞれの選択肢を選んだ場合、期待される結果と同時に危険性と不確実性を予測することで合理的に選択を行うことができる。大方の人は主観的に状況を把握して職業選択をしている。

 では、一人ずつ見ていきましょう。

 目次

 

1,ジェラット

 

ジェラットは前半と後半で理論を変更しています。

左脳的な理論から右脳も使う必要がある理論へ・・・

 

※そもそも左脳、右脳って?

  • 左脳とは・・・論理的思考(言語力や計算力)を得意とした考え方
  • 右脳とは・・・イメージ、記憶力、ひらめき、アナログ的、感情コントロールなどを司る考え方

あなたの考え方はどちらのタイプですか?

 

ジェラットは以下のような意思決定モデルを提唱しました。

【前期】連続的意思決定モデル

左脳を使って問題をはっきりさせるためにデータを集めて意思決定を行います(客観的で合理的な意思決定)

 

【後期】積極的不確実性を主要概念とするモデル

意思決定は完璧なものではない、よって左脳だけを使うのではなく右脳も使う必要があるとし、つまり、未来は予存在せず、予測できないとしながら意思決定を行います(主観的で直感的な意思決定)

 

ジェラットが日本での講演で強調していた言葉があるそうです。

『夢見ることを忘れずに』

2、ヒルトン

 

ヒルトンは社会心理学者のフェスティンガーの理論をキャリア意思決定に応用して認知的不協和論を提唱しています。

 

※フェスティンガーの理論とは?

人は相容れない二つの認知を持つと不快(不協和)な状態となり、

この不快さを軽減して安定した(協和)な状態に戻そうとする行動をとること

 

ヒルトンの認知的不協和理論

ヒルトンはこのフェスティンガーの理論を応用して、

個人が持つ自己概念、希望、期待、職業観、を『前提』とし、

それと下界からの情報との協和が起こってしまうことがあると言っています。

それを低下させるには前提を修正するか他の職業を検討するということが考えられ、

不協和の低下がなされるまで上記の事が繰り返されるとされているとしています。

 

ティードマンについては、また改めまして記述させていただきます。

いかがでしたか?

少しは意思決定について理解が深まりましたでしょうか?

少しでもお役に立てたら幸いです。

キャリア理論をひもとく【ドナルド・E・スーパー】

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キャリア理論をひもとく

 

元営業事務員からキャリアコンサルタントに転身を夢見て資格取得をを目指している、なごみです。


今回はキャリア理論で最初に学ぶ、ドナルド・E・スーパーについてまとめます。

 

みなさんはスーパーについてと言ったら・・・

 

  • 職業的適合性・・・能力とパーソナリティ
  • ライフステージ・・・発達段階(せい・た・か・い・か)
  • マキシサイクル・・・発達段階の間に移行期
  • ライフキャリアレインボー・・・生涯発達のアプローチ
  • ライフスペース・・・人生という舞台(職場・家庭・地域・学校)
  • ライフロール・・・個人の役割
  • キャリアのアーチモデル・・・スーパーの集大成モデル

 

ですよね。

試験対策としてはそれでOKだと思います。

 

ただ、不合格した私としてはもう少し細かく見ていきたい・・・

ということで 

  • 自己概念
  • ライフステージ 

をもう少し詳しく見てみようと思います。

 

目次

人と職業との適合性
(スーパーの考える自己概念と職業とのマッチングとは)

スーパーは自己概念を職業的自己概念ということで表現しました。

職業的自己概念は人によっては表現方法が異なり、
職業名で表現する者(職業的語り・例えば教師)もいれば、
あるいは人に教えることが好きというような形で表現する者(心理的語り)もいます。これを統合して職業的自己概念としています。 

スーパーは自己概念は一つではないし、
またある時期(特定の発達課題)に決定されるものでもなく、
自己と他者自己と複数の環境との相互作用の中で修正・調整されると仮定しました。

その一つの行動として人と職業との適合、いわゆる職業適応も重要な概念であると考えました。

スーパーは当時の自己概念の理論が
個人の主体的認知の側面のみに焦点を当てていましたが、
それとは異なり、自ら形成して作られたものを主観的自己
フィードバックの形で得たものを客観的自己として
それらを統合することで自己概念を提唱したのです。

ここで人と職業との適合のダイナミズムを解釈することで、
かつそれを適切に評価し、
職業選択を援助するための手段として職業適性の図を提示するわけですね。

ここで必要な個人の要素とは以下のようなものになりますので、
自己理解を深める際にご活用ください。

  • 潜在的な能力(職業適性など)
  • 獲得された能力(専門知識、技術、技能など)
  • 受けた教育、訓練
  • 個人的特製(適性・興味・パーソナリティ・価値観など)
  • 余暇活動、その他の生活活動
  • 個人をめぐる諸条件(企業の条件、家族環境、地域条件など)

 

生涯発達モデル
(ライフ・ステージ、ライフキャリアレインボー)

ライフステージと言ったら、

成長段階・・・0~14歳

探索段階・・・15~24歳

確立段階・・・25~44歳

維持段階・・・44~64歳

解放(下降)段階・・・45~65歳

 

せい、た、か、い、か

でもうバッチリ覚えてますね!

 

もう少し詳しく見てみると

探索段階の課題(15歳~)

職業的好みが具現化される

職業的好みが特定化される

職業的好みを実行し、現実的な自己概念を発達、より多くの機会についていっそう学ぶ

 

確立段階(25歳~)

希望する仕事を見つける

他者との関わり方を学ぶ地固めと工場

職業的地位の安定を築く

永続的な地位に落ち着く

 

維持段階(45歳~)

自らの限界を受容する

働き続ける上での新たな問題を明らかにする

本質的な行動に焦点をあてる

獲得した地位や利益を保持する

このあたりが重要な局面になってきます。

また40代の成人のキャリア発達は、青年期と比べて慎重に探索しなければならないところから、成人期のキャリア決定の準備は「キャリア成熟(career manurity)」ではなく、「キャリア適応力(career adaptability)」と呼んだ方がいいとしています。

 

私の例でお伝えしますと・・・

 

探索段階

OL(都内で事務職)になりたい!しかしそれがどんなものかも分からず、
「きっと出来る!」の勢いしかありません

そのままOLに特定する

実行に移し、しばらく作業をしているものの、スキルUP見込めず、
考える力もなく、、、業務は「こなす」ものに。

 

確立段階

他者との関係はそつなく・・・「人付き合いのいい人」というキャラ設定に。
私もそれはそれでOKだと思っていた

安定の方向へいき、「仕事はこなすこと」がさらにすり込まれてゆく

 

維持段階

若手にスキルを追い抜かれていく

限界を感じる・・・(私は他の部署へ行く選択肢はない)

コロナのタイミングで退職

やってみたいお仕事を見つけ、勉強中&仕事探し
↑イマココ

 

解放段階(今後)

非常勤でも「自分がありたい姿で働きたい」

       ↑満足源

 

こんな感じだと分かりやすいでしょうか。

 

また、ライフ・ロール(役割)についても考えてみましょう。
人生において、誰もが大体2~3の役割を持っていると言われています。
ライフキャリアレインボーから抜き出しますと、

子供、学生、余暇を楽しむ人、市民、職業人、家庭人、ざっとこのようなものでしょうか。

 

みなさんは今、どんな役割を持っていますか?

私は家庭人、市民、余暇を楽しむ人、そして学生かな・・・。
そろそろ学生→職業人になりたいのですが・・・汗

スーパーはこれらをライフ・スパン(時間軸)と総合的に関与させてライフキャリアレインボーを生み出しました。

今後の支援の仕方について

今の新卒は大卒3割、高卒5割、中卒7割が3年以内に離職すると言われています。

その原因のひとつとして、「就職前」「就職後」の2段階のミスマッチがあるとされています。これからは発達論をベースとした課題解決支援が必要とされてくると思われると言われています。先ほどの課題を注意深く見ていくことが大切です。

 

また、自身の役割についての確認として、現段階と10年後のライフ・ロールとその比重を書いてもらいます。

それを見て、何かひとつに偏りが出ているようだったら注意する必要があり、
こうしなければダメ、意味がないなどと思っている場合は、
抑うつ傾向にあるかもしれません。
また職業人がほとんどの割合を占める場合も要注意と考えられます。

意識を出来るだけ遠くへ向けて、考えを巡らすようにガイドすることが大切になります。

引用元
職業相談場面におけるキャリア理論及びカウンセリング理論の活用・普及に関する文献調査(JILPT)
新版 キャリアの心理学(渡辺三枝子)
キャリアコンサルティング 理論と実際5訂版(木村周)

 

スーパーについて少ーしだけでも詳しく分かることが出来たなら幸いです。